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朝起きて朝食を取ると、昨日の夜ちょっとだけ話した、子ずれの親父さんが熱でダウンと知る。 で、ファレまで尋ねていって、「俺、東京から来て、薬持ってるんだけど」といって熱さましと ビタミン剤をあげる。「ありがとう」といっていた。 もっとも、その親父さんも薬は持っていたみたいだったが。まあ気は心。 ビーチファレをやってるサモアのおばちゃんに水をもらって出発。歩きはじめる。

疲れて、教会の近くで休んでいると、その側で農作業をしてたおばちゃんたちに声をかけられ、 写真をとる。で、またしばらく歩いて疲れ、道端で休んでいると、今朝薬をあげた親父さんが 子ずれで、車で通りがかった。「乗っけてこうか?」といってくれたけど、「大丈夫、歩いてくから」と断った。 「薬ありがとう」と言って去っていったので「お大事にー」と叫んでお別れ。人に親切にすると気持ちいいねって思った。

しばらく歩いて、なにか冷たいものでも買おうと思ってお店に立ち寄る。 直後に、スコールが降りだす。ラッキーだねってひげの男の店員に言われる。彼は日本人の友達がいるらしい。 ここでトイレットペーパーとicepapという、ミルクアイスみたいなものを買った。なかなかおいしかった。 あと、店先のやかんに紅茶がはいっていて、「それはタダで飲んでいいよ」といわれて1杯もらった。 店を去るときに、「君はもう二度とここにはこないんだろうな」とちょっとさみしそうに言われたので、 写真をとって、それを送る約束をした。

そこから少し歩いて、Falelimaと言う村へやってきて、きょうはもう疲れたのでこの辺で泊まりたいと思い、 道にいた子供にちょっと声をかけて話すと、中学生ぐらいなのに英語がかなり出来る。少なくとも俺より上手いので、 「この子の家に泊まらせてもらいたいな」と思う。やっぱり会話ができないのはお互いつらいからね。で、 「今日君の家に泊まってもいい?」と聞くと、「ちょっと待ってお父さんと叔父さんに聞いてみる」とすぐ近くの畑へ。 で、「OK」って事なので泊まらせてもらうことに。ここのうちは、大家族で、何世帯かが一緒に暮らしてるみたいで、 結構大きなファレに住んでいた。なんと明日、その中の1世帯がニュージーランドに行くらしく、「おいおい、そんな大事な日に 俺がおしかけちゃって迷惑なんじゃないの?」とか思ったけど、なんかすごい歓迎してくれた。 いちばん力のありそうなロペティの家族は、逆にニュージーランドに移住してて、でもあまり良い仕事が 見つからず、また母を世話するためにサモアに帰ってきたらしい。

ちょっとファレで休んでから、ココナッツを取りに行くと言うので 一緒についていく。裏山をしばらく登っていった。それにしてもサモアの子はすごい。ビーチサンダルで山道をひょいひょい身軽 に歩いていく。適当なところで、ロペティがココナッツの木に登っていった。ロープを使うのかなと思ったら、使う道具は布だけ。 布を両足に8の字に結わえて、滑らないようにして、命綱もつけずに手と足の力だけでかなり高い木を登っていく。そしてココナッツの 実を手で払い落として、降りてきた。すごいすごい。落としたココナッツを拾ってその辺に生えてる適当な細い木をナタではらって それに実をくくりつけ、かついで帰る。

その後、一緒に海辺にある共同の水浴び場まで行って体を洗う。なんだろう、石を回りに組み上げた子供用プールみたいな感じ。 そこの水は海水じゃないみたいだけど、あまりきれいじゃなかった。ちょっと飲んでしまってひどい味がした。 これ、男性はいいけど女性はどうすんだろ、って思ったけどたぶん女性は家のタンクから桶に水をためて洗うんだろう。 男性専用なんだねここは。

それから、夕飯の仕度をするのも見せてもらう。 今日はチキンも食べさせてくれると言うことで、放し飼いになっている鶏を石を投げて弱らせて捕まえて殺してた。ワイルドだねえ。 あと、石を焼いて、その上にパンの実(味はサツマイモに近い)とバナナをのせて、大きなバナナの葉っぱを上からかぶせて 30分ほど蒸し焼きにする。また、さっき取ってきたココナッツの実を剥くのも初めて見せてもらう。一番外側に硬い皮があって それを剥くために、地面に突き刺さしてあるとがった鉄の棒に突き刺してひねる、突き刺してひねるを数回繰り返す。 それを剥くと、中華街でもおなじみの形の実が見える。それをナイフの刃じゃないほうで2回ほどたたいて、実をぱかっと割ると、 ジャーとココナッツジュースがあふれてくる。これは捨ててしまって、(少しは飲んだりしたけどいくらでもある物のようなので) この実の内側についている白い部分を削って、ボールに入れる。そして、削ったものをしぼるとようやくココナッツクリームが 得られる。これに塩を加えたりして、煮物の煮汁にしたり、蒸したイモなどのソースにしたりとサモアの家庭料理にはよく使うのだ。 俺は中華街のココナッツジュースは嫌いだったけどこれはおいしかった。 さらに夕飯には海で釣ってきた魚もさばいて、マリネのようにして出してくれた。チキン、イモ、バナナ、魚、スープなど 食べきれないほどの豪華な食事で、うれしいかぎり。ものすごくにぎやかで楽しい夕食でした。 Nancyという22歳の女の子が教師をしていて、その学校に明日一緒に来ないかと行ってくれたのでOKする。 でも英語でちゃんとしゃべれるかちょっと心配だな。彼女は教師というだけあって英語ぺらぺら発音もいい。すごいなあ。 なんかのどが痛くって早めに休ませてもらった。すると夜中熱がでる。上着とシーツをかぶっても寒い。さらに寝床はコンクリートの 地面にござを2枚重ねてひいただけなので硬くって熱の体にはちょっときつかった。イブA錠(熱さまし)とビタミン剤を飲んで寝る。 けっこう高熱だと思った。

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